ある日、絵の中に妖精たちがやってきました。
もともと妖精が好きだったとか、お花が大好きだったとか、
そういうわけではないのです。
なんとなく…なんとなく…子どもを描いて、羽をつけて「虫みたい!」と喜んでいたのでした。
しばらくは、そういう子たちをよく描いていました。
それから数ヶ月、ふと目を閉じた時に、「わたしよ!」と言われたのです。
(正確にはそんな気がした…ですが)
子どもの妖精が「なんでわかんないの !?」と言わんばかりに、目の前に飛んでいる、
そんなイメージで、びっくりして目を開けた私は、あたりをキョロキョロと見回してしまいました。
いったいいつから、近くにいたの?
それを教えてもらったのは2007年の終わり、
作品展の準備をしている時でした。
作品展に添える言葉を書こうとして考え始めたら、
「あ、あの時だ!」と思い当たる瞬間がよみがえってきたのです。
足もとから、そして胸の中から、あたたかい風がふわ〜っと吹いて
涙が溢れてしまった瞬間です。
これが、その時のことです。
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